疾病や障害によって肢體を思い通りに動かすことが困難な方々が、指一本動かすことなく目の動きだけで意思伝達をすることができます。ご自身の伝えたい內容をディスプレイに表示されたメニューから選択して音聲を出力する機能(定型文會話機能)や「ひらがな」で文章を作成する機能(自由文作成機能)などによってご自身の意思を介助人やご家族等へ伝達することができます。
また、システムの構成品にはコンピュータなどがありますが、使用者はそれらに関する知識は全く必要ありません。具體的には、使用者がコンピュータのディスプレイに表示されたメニューの內容を見て瞬き(または數秒間の凝視)をするだけです。この様にご自身の伝えたい內容をメニュの中から選択する方法です。
更にディスプレイに表示されるメニューの內容をユーザー様ご自身で変更することができます。例えば、メニューの內容を削除や追加または変更、録音した音聲や効果音の出力設定、分割畫面數の変更など、使用者の狀態やニーズに合わせてご自身で変更が可能です。最新バージョンでは使用者の眼球があまり良くない狀態でも使用できる技術を導入しました。例えば、白內障、人工レンズ、眼振、瞼の痙攣などの狀態でもシステムをご利用頂けます。(次項の「使用者の條件」を參照)
使用者は下記の3つの條件を満たせば本システムをご利用できます。
① 「意識的な瞬き」または「數秒間の凝視」ができること
② 片眼が正常に見えること(眼鏡やコンタクトの裝著可)
③ ディスプレイに表示された簡単なメニューの內容(數文字の単語)を理解できること
使用者の眼球が下記の狀態であってもご利用できます。
① 白內障や白內障の手術により人工レンズを裝著してある場合
② 角膜移植や角膜表面に軽い傷や損傷がある場合
③ 眼球に炎癥や眼病などがある場合
④ 瞼の痙攣や瞼が全開しない場合(全體の1/3~1/2閉じている狀態)
⑤ 片眼しか見えない場合
⑥ 眼振がある場合
⑦ 涙や目ヤニが突然溢れてしまう場合
⑧ 青や緑などのカラードアイの場合
⑨ 眼鏡やコンタクトレンズを裝著している場合
「定型文會話機能」
ご自身の伝えたい內容をディスプレイに表示されたメニューの內容から選択します。內容はカテゴリー別に分類されており目的のカテゴリーを選択していき、最終的に目的の內容に行き著く形式になっています。標準仕様では約60種類あり、全て音聲(女性聲/男性聲)を収録してあります。また、メニューの內容を削除や追加または変更、録音した音聲や効果音の出力設定、分割畫面數の変更(左の寫真は4分割畫面)など、ユーザー様が自由にカスタマイズできます。
「自由文作成機能」
「定型文會話機能」にご自身の伝えたい內容が含まれていない場合、「自由文作成機能」を使い「ひらがな」で簡単な単語または文章を作成して筆談の様に介助人に伝えることができます。尚、本裝置は意思伝達裝置であり、ワープロではありませんので漢字変換はできません。対象となる使用者(重度障害者や高齢者など)を考慮し、意思伝達裝置として複雑な機能や操作を避け、簡単にご利用できる様に「ひらがな」のみの設定になっています。
「呼び出し機能」
ブザーや効果音/音聲などを出力して介助人やご家族に知らせます。接続したコンピュータから音や音聲が出力されますので、ナースコール等のイメージでご利用される場合は他の部屋までスピーカー等を延長する必要があります。
下記は介助人やご家族等に「お茶が飲みたい。」と伝えるための操作例です。
![]() |
☆ メニュー表示 ディスプレイ上にメニューが表示されます。 |
| ↓ | |
![]() |
☆ 項目の選択 「お茶」の項目を見ます。「お茶」のキーが黃色に変化します。 |
| ↓ | |
![]() |
☆ 內容の決定 「お茶」のキーが黃色に変化したのを確認後、瞬きまたは數秒間の凝視をします。「お茶」のキーが今度は赤色に変化して音聲が流れます。(音聲:「お茶が飲みたいです。」) |